2017/11/24

日本の投信は貧乏人に優しい

日本においては欧米信仰といいますか、欧米に対する劣等感というものがどうしても抜けない卑屈さがありますが、こと投信環境に関してはここ数年で劇的に変化したので、むしろ胸を張っても良いような状況になりつつあります。


欧米の代表として、401(k)やISAなど日本がお手本とした制度もある、投資先進国アメリカとイギリスの投資環境を調べてみました。


米国の場合

Vanguardのファンドを例にあげます。
米国の投資信託には、販売会社の取り分が設定されていません。運用会社の取り分だけです。

Vanguardは資産運用会社でもありブローカー(こちらでいう証券会社のような仲介業)でもありますので、自社のファンドを直接販売しています。
自社商品ですので販売会社の取り分というものはありません。ファンドの経費率そのものが年間コストとなります。

口座維持手数料として年間20ドルが設定されていますが、電子交付にすることで無料になります。
ファンドの経費率はETFと比べると結構高いものが多いですが、ファンドごとの預かり資産が1万ドルを超えると、ETFと同等の経費率のAdmiral Sharesというシリーズに移管できるようになります。

例としてETFであるVTI(0.04%)と同等商品のVTSMXで0.15%、Adrmiral SharesのVTSAXで0.04%となっています。
資産額に応じて割引をする形になっているわけですね。

直販以外では、TD AmeritradeE*Tradeのような大手ブローカーがありまして、多くの運用会社の商品を扱う投資のデパートのようなものです。日本でいうとSBI証券のようなごった煮状態です。

このようなブローカーがVanguardの商品を販売する場合、仲介手数料がかかります。E*TRADEの場合、毎回19.99ドルとなっています。Charles Schwabですと購入時に76ドルとぼったくっております。

NTF(No Transaction Fee)というものもありますが、ごく少数です。おそらくバックマージンを受け取っていると思われます。


英国の場合

英国では、投信そのものには販売会社の取り分が設定されておらず、販売会社がサービス料として独自に(上乗せする形で)設定することになっています。
商品ごとに個別で設定する場合もあるようですが、あらゆるファンドに対して一定の割合で徴収することが多いようです。画期的ですね。
ブローカーを通して購入する場合は、仲介手数料がかかりますが、直販よりもそちらを使う人が多いらしいです。理由など詳しい事情まで分からなくてすみません。

Fidelityでは預かり資産が7,499ポンドまでは、預かり資産の0.35%を徴収されます。7,500ポンドから25万ポンドまでは0.2%、それを超える分については加算されないことになっています。

Vanguardでは年間費用が預かり資産の0.15%となっていますが、最低額が高めの375ポンドです。計算すると預かり資産が25万ポンドに達するまでは375ポンドかかることになります。

いずれの業者も、一定以上預けることによってコストが下がる仕組みになっています。


日本の場合

日本では今や、販売会社の取り分は0.1%前後のものが中心になってきています。
(つみたてNISA対象商品レベルの場合)
また預かり資産が多いほど得をする仕組みも特に存在しません。
(SBIの投信マイレージも以前は1000万以上だと2倍になりましたが、いまや低コストファンドは対象外)
さらに、口座維持手数料はどこも無料です。

つまり、100円分しか持ってない人と、10億円分持っている人との間に差別がありません。
ぼくのような貧乏人にとっては大助かりの環境になっています。

これは言い換えれば資産家にとってはたくさん預けても一定の割合でコストが増えるばかりで得しないとも言えるわけで、実際にそのような人は継続コストを嫌って、インデックスファンドではなく個別の株を持つようになるのもわかる話です。
ただし個人レベルでこれをやると、半期ごとに大量の郵便物が届いて途方にくれることになります。

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コメント

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No title

アメリカの手数料については古い資料ですが,http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2006/2006sum14.pdf がわかりやすいです。
バンガードは0にしていますが,12b-1設定しているファンドもありますね。

Re: No title

吊ら男さん、大変有用な情報をありがとうございます。
日本語でここまで書いてある資料は、恥ずかしながら知りませんでした。
distribution feeやシェアクラスに関してたいへん勉強になりました。
記事中に不正確なことが書いてあったこともわかりましたが、どうかご容赦くださいませ( ̄▽ ̄;)