2018/08/11

リスク資産部分だけを比較する愚行…大切なのはトータルバランス

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これは『eMAXIS 先進国株式』と『eMAXIS バランス(8資産均等)』の五年リターンを比較したグラフです。

ブログの記事などでこういうグラフで、株式ファンドとバランスファンドを比較して「株式の方が効率が良い」「バランスファンドはリスクは低いがリターンも低い」「だから株式のみで良い」というような結論を出してしまっているのを見かけますよね。

でもこの比較はほとんどの場合無意味です。

なぜなら普通、リスク資産以外にも持っているはずの安全資産が含まれていないからです。

リスク/リターンの比較は運用資産のトータルで見ないと役に立ちません。このグラフのような比較で役に立つのは、非課税口座の限られた枠に配分するなら何が最も効率が良いかという検討くらいです。


比べるならキャッシュを含めたアセットアロケーション全体で

『月一万円をリスク資産に投入するとして、先進国株とバランスならどちらが良いか?』 というようなよくわからない前提条件のもとでの比較ならともかく、普通は安全資産(キャッシュなど)を含めた全体での金額がどのように変化するかというのが重要のはずです。

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こちらはアウターガイさんが提供されているアセットツールにて、先進国株60%、預金40%のアセットアロケーション(リバランスあり・なし)と、8資産均等バランス100%(ベンチマーク)の5年リターンで比較したグラフです。

どうでしょう、どちらもだいたい同じになっています。リターンはほぼ同じですが8資産均等バランスの方が変動が少なく見えますね。

リバランスありがリターン41.11%、リスク19.71%、リバランスなしがリターン45.38%、リスク21.98%、8資産均等はリターン42.22%、リスク19.17%となっており、リターンをリスクで割ったシャープレシオは8資産均等が最も高くなっています。

注意:これは指数の騰落データでありコストが考慮されていないので、実際のファンドの結果とは異なります。またこの手の検証は始点と終点の設定により結果が大きく変動しますのであくまでも一つのサンプルとしてこうなっただけということは理解しておいてください

この結果は逆に言えば、先進国株60%とキャッシュ40%で組み合わせるのとほぼ同様の結果を得るには、8資産均等バランスならキャッシュを持たずフル・インベストメントで良いことを示しています。

(キャッシュを持っておいた方が他の用途にも使えるとか、なんとなく安心とか、そういうのはとりあえず置いといての話ですよ。資産形成をインデックスファンドで行うとすれば、という前提)

このように、トータルの運用資産で比較してはじめて意味をなすもので、リスク資産の部分のみを比較すると間違った結論を導き出してしまいます。

生活防衛資金は含めなくてもOKですよ。絶対に運用しない命綱で、割合ではなく金額ベースで持っておくものだからです。


以上、バランスファンドと単一アセットを比較することの愚かさというテーマのお話でした。
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コメント

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No title

「先進国株60%とキャッシュ40%で組み合わせるのとほぼ同様の結果を得るには、8資産均等バランスならキャッシュを持たずフル・インベストメントで良い」

だから、先進国株式とキャッシュの方が賢い選択なんですよ。
株価半減になるほどの大暴落時に、前者は先進国株30(-30)+キャッシュ40の全体で70。後者は、単体70(-30)なんですよ。前者は何も気にせずに40を使えますが、後者で40使うと、どうなるか分かりますか。前者はリスク資産に手を付けていないので、リーマンショック時でも5年で元に戻りました。後者は元本に手を付けてしまっているので、元の価格に戻っても元には戻りません。株式が元本の1.5倍付近まで増加したときに、バランス型は元に戻ります。
キャッシュを残せるほうが断然有利です。バランス型がいいと勘違いしている人が多いのですが、フルインベストするしないに関係なく、予備資金をキャッシュで別勘定うできることは、とても有利なんです。
株式600万+現金400万とバランス型1000万なら、断然前者が有利です。バランス型は、価格が暴落している株式を売ってはいけない時に売ってしまうという行為を行ってしまいます。将来取り崩すときに、プラスマイナスを行ったり来たりすればするほど、バランス型は不要な売買をしてしまうのです。株式+現金なら、株式が爆上げの時は株式を売却して、リバランス。株式が暴落しているときは、現金から売却という合理的な選択ができます。
もっと、しっかり勉強しましょう。
購入するときのことだけ考えていても、だめですよ。

Re: No title

コメントありがとうございます。
貴重なご意見、ありがとうございました。

中々面白い意見ですね

株式6とバランス10は同じようなパフォーマンスというのは、あまり聞いたことのない意見でしたので新鮮でした。

ただ強いて言えば、前提の比較がちょっとズルいかなと……(笑)

やるなら、株式6とバランス6で比較するか、株式6債券4とバランス10で比較しなきゃフェアじゃないかな~と思います。

バランスの内訳を考慮すると、単純な比較ではリターンが負けるのはわかりきっているんですけどね……(;´∀`)

Re: 中々面白い意見ですね

コメントありがとうございます。

単一アセットとバランスを、キャッシュ比率を固定して比較すると、結局はリスク資産部分の比較と同じことですので、その前提はあり得ないと考えます。
同一人物が投資する場合、(拠出額に上限がなければ)リスクの高いものと比較的低いものとでは、低いものは同程度のリスクになるまで金額を多く出せるのが当然だからです。
結果としてキャッシュを含んだリスクは大体同じ程度に収束することになります。(運用する人が同じなので許容できるリスクが同じ)
つまり先進国株なら40%ほどキャッシュを持っておきたくなるところを、バランスならどれくらい持つことになるかということです。

今回はたまたまキャッシュを40%持つとちょうど同じくらいになったので、バランスの場合はキャッシュを持つ必要がなかったということです。

比較する相手が8資産均等でない別のバランスファンドならまた違った結果になりますし、新興国株の場合ならキャッシュの割合がもっと増えるとおもいます。(そして時期が悪いので新興国株+キャッシュの成績は惨憺たるものになるでしょう)

この記事はバランスファンドを持ち上げたり擁護するのが目的ではないので、リターンで勝った負けたは問題にはしていません。

拠出額を固定したい場合には、それぞれ100%として比較すれば良いと思います。文中にもそう書いています。

Re: Re: 中々面白い意見ですね

書き忘れました。

つまり毎月拠出する一万円が最終的においくら万円に成長するかという比較なら、という意味です
そういう人にはリスクの評価は必要ないでしょうからね。