2018/08/05

『インデックス投資は勝者のゲーム』は迷った時に読む本

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インデックスファンドの業界では知らない人はいない(?)、米バンガードの創設者の一人、ジョン・C・ボーグル氏の著書『インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法』の感想です。

世界に先駆けてインデックスファンドを世に送り出し、それが正しいということを証明したボーグル氏ならではの強い自負に満ちています。

とにかく徹頭徹尾、インデックスファンドの優位性について説かれていますので、資産形成の手法としてインデックス投資に疑念が生じた時には読み返すことで正しい心を取り戻すのに有効です。



コスト! コスト! コスト! 全てはコストのせい

文中、とにかくコストという言葉が頻繁に出てきます。

統計を例にとって、コストがいかにファンドのリターンを蝕んでいくかということが繰り返し繰り返し語られています。コストに強い恨みを抱いているかのようです。

手数料、運用管理費用(信託報酬)、売買を繰り返すことによるコスト、課税コスト、マーケットの後追いをすることで支払う代償などなど。

そしてその節約したコストに複利が乗ることで、数十年後にはとてつもなく大きな差になるといいます。

これらすべてを最小限に抑えるのが、インデックスファンドによるバイ&ホールドであるということです。


スマートベータはアクティブ指数

一章を割いて、スマートベータ(ストラテジックベータ)についても言及しています。

スマートベータは過去の成績を基にしたアルゴリズムで、今後も通用するとは限らず、いずれ平均回帰の原理とコストによって市場平均を下回るであろうと喝破しています。

まあ、これは予想通りですね。ボーグル氏のぶれない信念には頭が下がります。


ETFをトレードに使ってはいけない

おそらく有名なのだと思いますが、ボーグル氏は自ら創業したバンガードでETFをリリースしておきながら、ETFの特徴である「市場でトレードできること」について、愚かなことだと述べています。

そのことについては特に弁明はありません(笑)

敗者のゲームに参加していたずらに手数料を払うことを良しとしないボーグル氏の強いメッセージが込められています。

それはともかく、ETFはそのファンドとしての筋の良さ(低コスト)を利用して、買ったら絶対に手放さないということを徹底するのが良いとのことです。

また、その都度取引手数料がかかるために月々の積み立てのような小額の用途には従来のミューチュアルファンドを利用した方が良いと言っています。

実際、バンガードのETFと1万ドル以上の投資家に解放されるAdmiral Sharesクラスのミューチュアルファンドは経費率が同じになっています。(米国の顧客のみ)

日本では、2018年8月現在、ものによってはETFよりミューチュアルファンド(オープン投信)のほうが低コストなものもありますので、もやはETFを使うのはトレード目的に限られています。


アセットアロケーションについて

後半にオマケ的に付け足された(ように感じる)アセットアロケーションについての章は、個人的には興味深いものでした。

それほど大したことが書いてあるわけではなく、株式と債券をどう割り振るかだけの話であるという、ごく常識的なことなのですが、やはりその考え方でいいのだなということが再確認されます。

特にボーグル氏は米国の株式と債券だけで話を完結させてしまうので、そんなのでいいのーー?? とこっちが逆に思ってしまいますが、アメリカでならそれも許されるのでしょう。日本人が適用するには少しアレンジする必要があると思います。

バランスファンドについても言及されています。固定の配分にするか、その時のニーズに合わせて変更するかは個々が判断することなので答えは書いてありません。

最後はここまでわかっていたら自分で考えられるはずだ、というような感じでまとめられています。


邦題はちょっとダサい

本文中にも出てくるフレーズではあるのですが、おそらくチャールズ・エリス氏の著書『敗者のゲーム』を意識したと思われるのですが、前版が『マネーと常識』であることを考えるとずいぶんキャッチーになったなという感じです。


月並みになりますが『投資の常識 ──インデックス投資は勝者のゲーム』というような邦題のほうが良かったような気もします。が、編集者が考えに考えた結果ですから、たぶん元のタイトルの方がよく売れるんでしょうね。ですぎた真似はいけませんね。

余談ですが原題はトマス・ペインの『コモン・センス』をもじったものでして投資以外でもよく使われているフレーズです。


浮気をしたくなったら読み直したい

インデックス投資は退屈なので、ついつい他の投資法や新しい商品に関する情報を読んでみたりして、もしかして平均を上回る結果を得ることができるのではないかという気持ちがムクムクと湧いてくることもありますが、そんな時こそ本書を読み直すべきでしょう。

そして、やはり広く分散された市場ポートフォリオのインデックスファンドによる、タイミングを図らない持ちっぱなし戦略こそが成功への道なのだと気持ちを新たにしていきたいところです。

本の中盤、ややしつこすぎて読むのがめんどくさくなってきますが、なんなら少し飛ばしてしまっても大丈夫です。重要なことは真ん中よりも前半と後半に書いてあります。
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