2018/07/31

『投資の大原則[第2版] 』はもう一歩先へと踏み込むための第一歩として有用

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少し前の話になりますが、7月上旬に発売された『投資の大原則』の第2版を読みました。

それぞれ有名な著書を持つバートン・マルキール氏とチャールズ・エリス氏の共著で、長期投資のバイブルとも言われているそうです。

『人生を豊かにするためのヒント』というサブタイトルが付いていますが、これは翻訳の際に付け加えられたものですね。

紙の本で200ページ程度と簡潔にまとめてありますが、入門用としてよくまとまっていると評判です。

実を言うと前の版を読んだことがなく、今回が初見となりますが感想を述べようと思います。


まずはお金がないと始まらない

資産運用というと運用の手法についての説明が大半を占めると思いがちですが、本書では前半三分の一を節約・貯蓄について滔々と述べることに費やしています。まずはお金がないと始まらない! ということを、本書は気づかせてくれます。

無駄遣いを減らすこと、天引き貯蓄をすること、カードローンを使わないこと、よく相談しその価値があると合意したものだけ買うこと・・・としつこいくらい節約の例を挙げています。中には米国でしか通用しないものまりますが、だいたい日本でも使えるでしょう。

そうして得た余裕資金を投資に向けることで、ようやく長期投資が始まるというわけですね。

その後はおなじみの、インデックスファンドの優位性や分散投資についての説明ですが、こちらもベストセラーの著書を持つだけあってその辺の入門書よりも執拗になぜそうなのかを説明してくれています。

この章を読んだだけで、何度頷くか数えてもいいでしょう。それほどにごもっともな内容となっています。読み終える頃にはインデックスファンドの信者になっていることでしょう。


後半はちょっと蛇足

後半はKISSポートフォリオと称して、具体的な運用の方法や銘柄の紹介について書かれているのですが、正直なところ米国向けの著書のため海外のファンドの紹介であること、情報が古い(2012年あたり)ため経費率も現在と違うことなどからあまり役に立ちません。

全く役に立たないというわけではないのですが、すでにそれなりに知っていて自分の中で置き換えて読める人でないと理解できないでしょう。

ということでここは日本語で書かれた他の入門書で補完していただいた方がいいと思います。さいわいどれを読んでもハズレがないほどに充実してきましたので、お好きな本を手に取っていただいて問題ないと思います。

401(k)や譲渡性預金、リバースモーゲージなど米国では常識でも日本では馴染みのないものについてもわざわざ翻訳してあり、米国の仕組みについて理解があるか興味がある人にしか意味のない文章になっています。

また、改訂にあたって付け加えられたと思われる、低金利時代の債券リターン低下への対策が思っていたよりも雑でちょっと笑ってしまいました。

曰く、リスクはちょっと上がるけど地方債は利回りがいいですよというのはまあ良いとして、、オーストラリア国債は利回りが高くて為替の調子もいいよとか(これ、外貨預金の売り文句と全く同じ)、米国債券の代わりに高配当株を入れてはどうだろうか(分散投資はどこいった??)など。

200ページにわたって分散投資の話を進めてきておきながら、この後に及んで意味不明な文章を付け足して読者を混乱に陥れるのはさすがにどうかと思うのですが・・・

ただ米国のロボアドバイザー大手Wealthfrontでは、ここで紹介されたような高配当株ETFや、新興国債券、地方債を使ったポートフォリオを提案してきます。安定的に収入を得たいという用途にはそれなりに合理性のある選択肢のようですね。僕には全く理解できませんけども。

しかしそのような無駄な部分があるにしても、前半部分だけでも大いに読む価値がありますので、後半はおまけ程度に考えておくと良いと思います。


あらゆる入門書の原典に触れてみたい人におすすめ


実を言うとよく見かけるネットの記事やブログの内容も、繰り返し言われている基本的なことは、この本に書いてあることの受け売りです。

ですから、本書にはもしかしたらすでにご存知のことしか書いてないかもしれません。

それがダメという話ではなく、それほど普遍的で、多くの人に影響を与えてきたということですね。一般庶民が投資を行うなら、節約、貯蓄が基本ということはもはや常識のレベルということです。

そんな大きな影響を与えた本書を一度読んでみて、なるほどこれが元になっているんだなということを納得していただけたらと思います。

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